今年も季節性インフルエンザの流行が全国的に拡大しています。特に子どもたちへの感染が急速に広がり、小児科クリニックには多くの患者が訪れています。このような状況を受け、専門家たちは注意を呼び掛けています。
小児科外来に患者が殺到
東京都内にあるある小児科クリニックでは、診療開始の午前9時から多くの親子連れが訪れています。例年に比べ患者数は1日60人程度から80–100人に増加。特に発熱外来には午前中だけで20人が訪れ、そのうち8人がインフルエンザと診断されました。
現在、インフルエンザだけでなく、伝染性紅斑（いわゆるリンゴ病）や新型コロナウイルス、マイコプラズマ肺炎など複数の感染症が同時に流行しており、医療現場は混雑を極めています。
子どもに多いインフルエンザ脳症とは
インフルエンザの中でも特に警戒されているのが「インフルエンザ脳症」です。発熱後に意識がもうろうとしたり、幻視や異常な行動が見られることが初期症状とされています。専門家によると、インフルエンザの大流行時には脳症の患者が増加し、後遺症や死亡に至るケースも少なくありません。
年末年始に向けた感染対策
年末年始は帰省や集まりなど、人々が接触する機会が増える時期です。そのため、専門家たちは新型コロナ禍で学んだ感染対策を改めて徹底するよう呼び掛けています。具体的には、マスクの着用、手洗い、うがい、そして適度な換気を心がけることが重要です。
ワクチン接種のすすめ
免疫学の専門家によれば、インフルエンザ脳症はインフルエンザ患者10万人に1人の割合で発生するとされています。特に4歳未満の子どもが高リスクであり、予防のためにワクチン接種が推奨されています。ワクチンには感染予防と重症化防止の効果があり、脳症の発症を抑えることが期待されています。
今年の冬、大切な子どもたちの健康を守るために、今一度感染対策を見直し、予防に努めましょう。