今年の夏にピークを迎えたはずの手足口病が、季節を外れた秋にもかかわらず、再び感染が拡大しています。国の感染症研究機関の発表によると、10月第2週(13日までの1週間)で全国約3000か所の小児科から報告された患者数は、1医療機関あたり10.78人に達し、同時期としては過去最高となっています。
通常、手足口病は7月下旬ごろに流行のピークを迎えるとされますが、今年は特に異例の動きを見せています。7月初旬に過去最多に迫る感染数が報告された後、いったん減少しましたが、8月中旬から再び増加。現在も全国各地で感染が拡がりを見せています。都道府県別では、愛媛県が最多で、次いで山形県や富山県も高い数値を記録。合計41都府県が感染警報レベルを超えている状況です。
手足口病は、飛沫や接触を通じてウイルスがうつり、手足や口の中に発疹が現れる病気です。患者の約半数が2歳以下の小さな子どもたちで、多くは軽症ですが、まれに重症化して脳炎を引き起こすこともあります。現在のところワクチンや特効薬はなく、石鹸を使ったこまめな手洗いが予防に有効とされています。
また、小児科の専門家からは「現在流行しているウイルスは夏の時期に流行していたものとは異なる可能性がある」との見解も出ており、過去に感染したことがある人も二度目の感染に注意が必要との呼びかけがなされています。
今後も引き続き手洗いや予防対策を徹底し、安心して過ごせる日々を目指しましょう。