成功とは、困難を乗り越えたその先にあるもの。
この言葉を地で行くのが、広島県の精密鋳造部品メーカーを率いる一人の経営者です。
幹部社員の大量離職、バブル崩壊、そして親会社との確執。
何度も「もう限界かもしれない」と思うほどの危機に直面しながらも、著者はそのたびに立ち上がり、会社を再生へと導いてきました。
「困難の先にしかない未来」
東京商工リサーチの調査によると、2024年の企業倒産件数は前年比15.1％増の1万6件。
その多くが中小企業で、人材不足や原材料高騰、ゼロゼロ融資の終了などが大きな打撃になっています。
そんな中で著者は、「苦境の中にこそ未来の突破口がある」と語ります。
「あえて難しい道を選ぶ」戦略
ライバルに仕事を奪われたとき、彼が取った行動は「他社が嫌がる複雑な鋳物製造への挑戦」。
また、人件費削減を迫られた際には、大手企業が敬遠していたフィリピンに工場を設立。
治安やインフラへの懸念を乗り越え、優秀な人材を確保することに成功します。
つまり、「誰もやらないこと」にこそチャンスがある。
著者はそう確信し、困難な道を突き進んできました。
今では地域を代表する企業に
現在は精密鋳造だけでなく、産業用CTスキャンや超微細3Dプリントといった最先端技術にも挑戦。
売上は100億円に迫り、地方から全国へとその名を広げています。
本書が伝えるメッセージ
『困難上等 地方の精密鋳造部品メーカー挑戦と復活の軌跡』では、
苦難を糧にして会社を成長させてきた著者の実体験がリアルに描かれています。
幹部の離職、技術流出、親会社からの独立。
その一つひとつの決断に、経営者としての覚悟と信念が詰まっています。
経営が厳しい今だからこそ読んでほしい。
現状に悩む中小企業経営者に「立ち向かう勇気」と「前に進むヒント」を与えてくれる一冊です。