地球の気候は、実はずっと「安定」なんかしていませんでした。私たち人類が誕生してから20万年。その大半を、気温が激しく変動するサバイバルな時代の中で生き抜いてきたのです。
その歴史を驚くほど細かく読み解けるのが、福井県の「水月湖」に眠る“年縞(ねんこう)”。この湖底に何層にも重なる堆積物は、まるで木の年輪のように、1年ごとの出来事を記録しています。今では、世界中の研究者が「年代を測るならココ!」と頼る“地球の標準時計”になっているんです。
本書『人類と気候の10万年史』は、その年縞が明らかにした驚きの事実を紹介。
- 現代の温暖化(100年で最大5℃)よりも遥かに急激な気温上昇が、わずか数年で7℃も起きたことがある!
- 東京がモスクワ並みに寒くなるような、10℃低下した氷の時代が繰り返しやってきた。
- 気温の変化に合わせて、海面の高さが100メートル以上も上下していた。
- なぜ縄文人は豊かに暮らせたのか?その理由も気候にあった。
- 農耕が始まった本当の理由とは?
そして何より、この過去の気候変動の記録が、これからの地球の未来を考えるヒントになるかもしれません。
気候変動の「スピード」と「インパクト」を、人類の長い歴史スケールで見直してみませんか?未来を見通すための“ヒント”が、福井の湖底に眠っていました。