
最近、柔軟剤や洗剤の香りが「強すぎる」と感じたことはありませんか?実は、その香りが原因で体調を崩す人が増えているんです。この問題、いま注目されている「香害(こうがい)」と呼ばれています。今日は、香害について詳しくお話しします!
柔軟剤の香りで不調に…その原因は?
例えば、広島市に住むある女性は、隣人が使う柔軟剤の香りで頭痛や吐き気を感じ、ついには「化学物質過敏症」と診断されました。洗濯物を取り込むためにベランダに出ただけで意識を失うほど深刻な症状も…。
「ちょっといい香り」なはずの柔軟剤が、こんな大きな影響を与えるなんて驚きですよね。
香り付き柔軟剤の人気と影響
香り付き柔軟剤は2000年代後半から人気が急上昇。今ではスーパーやドラッグストアで香りをウリにした商品がズラリと並んでいます。市場規模は15年前の約2倍になり、2023年には売上が1200億円を超えたそうです。
でも、その一方で「においがつらい」「体調が悪くなる」といった相談も増加しています。全国の消費生活センターには、2023年だけで317件の相談が寄せられ、その7割以上が健康被害を訴えているんです。
長続きする香りの仕組みが原因?
柔軟剤の香りが長く続くのは、香料を「マイクロカプセル」に閉じ込めているから。このカプセルは熱や摩擦で壊れ、少しずつ香りを放つ仕組みです。便利そうに見えますが、実は人体や環境への影響が懸念されています。
研究によると、柔軟剤5ミリリットルには約100万個ものカプセルが含まれているそうです。洗濯後、その8割は排水に流れ、2割が衣類や室内に残ります。部屋干しすれば、カプセルが床に落ちたり、空気中に化学物質が広がったりすることも…。
私たちにできること
香害を防ぐために、まずできることは「香りの強さを見直すこと」。柔軟剤や洗剤を選ぶときは、無香料や控えめな香りの商品を試してみてください。また、香り付き製品を使う場合も適量を守ることが大切です。
さらに、周囲の人が困っていないか気にかけるのもポイント。香りの感じ方は人それぞれなので、お互いが心地よい環境をつくる意識を持ちましょう。
ちょっとした工夫で「いい香り」はもっと優しいものになるはず。香りと上手に付き合いながら、健康的な生活を目指してみませんか?