マッチングアプリ症候群:婚活がゴールじゃない人たちの実態
マッチングアプリといえば、理想の結婚相手を見つけて、2人で退会するのが基本の「ハッピーエンド」。でも、実際にはアプリを婚活以外の目的で使い続けている人も少なくありません。本書では、そんな「婚活沼」に足を取られた人々に焦点を当てています。
アプリの世界では、次々に現れる新しい相手との出会いが刺激的で、まるで中毒のよう。恋愛というより、自己肯定感を満たすためにアプリを使い続けている人もいます。たとえば、相手をどんどん乗り換えることで生きる活力を得ている人や、離婚や失恋のトラウマから抜け出せず、婚活の名の下でセフレ的な関係を繰り返す人たち。そして、自分を見失い、500個もの「いいね!」を集めることで自己価値を確認している人々。
著者は、こうした「婚活沼」の住人たちを「マッチングアプリ症候群」と名付けています。
- アプリの理想郷?若者にとっての安心感
特に20代の若者にとっては、恋愛がメンタルの不安要素になり得る現代。「言い争いも修羅場もないアプリの世界は、安心して恋愛を楽しめる理想の場」と感じる人も多いのです。 - 年代が上がると抜けられない?
一方で、年代が上がるほど利用期間が長引き、アプリから抜け出せなくなる傾向も。特に40代や50代では、婚活ではなく孤独な老後の友達探しに目的が変わるケースもあります。 - アラフォー女性の「自己肯定感ゲーム」
特に、恋愛経験が豊富で目が肥えたアラフォー女性にとって、アプリの世界は「自己肯定感」を満たす重要な場。たとえば、イケメンで高収入の経営者やハイスペックな男性とマッチングして、一緒に高級ディナーを楽しむ経験。実際にその男性と本命になるのは難しいとわかっていても、「自分はまだまだイケてる」と信じられる時間を得ることが、彼女たちにとって大きな意味を持つのです。
マッチングアプリは便利なツールですが、その裏には抜け出せなくなる「婚活沼」が存在します。結婚だけがゴールではない現代の恋愛事情を映し出す、本書を通して一度アプリとの向き合い方を見直してみてはいかがでしょうか?