最近、東京都でマイコプラズマ肺炎の感染が急増しており、1つの医療機関あたり「2.80人」という過去最多の患者数が報告されました。この数は、統計が始まった1999年以降で最も多い数値です。特に9歳までの子どもたちが感染しやすく、今年に入ってから報告された症例の約69％を占めています。
マイコプラズマ肺炎は、4年ごとに夏のオリンピックと同じタイミングで秋から冬にかけて流行することが多く、軽い風邪のような症状が出ることがほとんどです。しかし、重症化すると脳炎などの合併症を引き起こすリスクもあります。
最近は、新型コロナウイルスの流行後、さまざまな感染症が注目されていますが、マイコプラズマ肺炎もその一つです。手足口病や麻疹、ヘルパンギーナなども増加傾向にあり、特に9月9日から15日にかけて、マイコプラズマ肺炎の報告数が前週より15.6％増加したと報告されています。
都道府県別に見ると、埼玉県では1医療機関あたり3.83人、福井県では3.17人、京都府では2.86人と、全国的に感染が広がっています。
マイコプラズマ肺炎は、5類感染症の一つで、インフルエンザなどと同様に細菌が原因です。症状としては、乾いた咳や発熱、体のだるさが主ですが、時には長引いたり、繰り返し感染することもあります。重症化すると、気管支炎や心筋炎など全身に炎症が広がるケースもあります。
潜伏期間が14日から21日と長いため、感染が広がりやすく、早期の診断と治療が重要です。特に薬剤耐性菌の問題もあり、症状が出たら早めに医師に相談することが大切です。
感染経路は、主に飛沫感染や接触感染です。アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウムなどでの消毒が有効ですが、乾燥に強いのでしっかりとした対策が必要です。日常的なマスクの着用や手洗い、うがいを徹底し、咳や発熱が続く場合はマイコプラズマ肺炎を疑って専門医の診断を受けるようにしましょう。